post89:いよいよ例会当日
いよいよ例会当日
というように、さまざまな議論が行われつつ、いよいよ二月十三日、知事を招いての例会が始まった。
当日は、約九十名が大分県地域経済情報センターに大集合。大分だけでなく、遠くは宮崎、北九州、福岡からも参加があったのは、やはり、口コミ的コミュニケーション機能を発揮したパソコン通信の威力だろうし、革新的メディアと〝知事〟がどう結ぶつくのかが、一番の関心事だったからだろう。
多分、知事は、その当時あっちこっちで行われていた「村おこし夜なべ談義」を想定していたのかもしれない。もしそうだとしたらちょっと当てが外れただろう。顔ぶれは当然ながら、中小企業の二世を中心としたダークスーツ姿のビジネスマンばかり。女性はほんの三人。夜なべ談義のように一村一品料理もなけれれば、麦焼酎も置いてない。ロの字型長方形に並べられた机に沿って、ダークスーツ姿で目を期待いっぱいに輝かしつつ(?)座っている一群にむかって知事が進みでる。
早速の後藤カイチョーの歓迎の挨拶は、
「いよいよ四月から〟地域INS事業推進〟というのがスタートするが、それは現コアラを八回線のCOARAー2にする事業であって、これは平松知事のように情報化社会に造詣が深いトップがいるから取り組めるんです。かつ、大分はそれを実現するのに第三セクター方式を取り、県にある程度お金を出していただき、我々もいくらかのお金と智恵を出す。そして、使いやすい、本物の地域情報化社会をつくりましょう」
と、呼びかける。この頃から〝民間・市民が智恵を出す〟ことが当然の風潮になったようだ。
次に、スタジオCOARAをベースにコアラの現況を私が知事に報告。難しい話をしたらイカンよ、とカイチョーから念を押され事前チェックまで受けている私の報告は、それでも「コミュニケーションサービスとデータベースサービスは両輪の輪であって・・・」などと、知事にとっては突然の面食らう話ばかりだったに違いないと思う。
さて、名誉会長就任の知事の第一声。その概要は、
「名誉会長に推薦していただいてありがとうございます。こんなにたくさんの優秀な若い人達が集まって、熱心に大分県の情報化に力を尽くしてくださるのを確認する機会を得ておおいに喜んでいます。
とはいうものの、なぜか男性ばかりですね。女性が少ないのは問題ですよ。もう皆さんのように出来上がってしまって、頭が固まってしまった大人の男性にはこれからの大分を期待しても無理でしょうから。それよりも、若い女性をじゃんじゃんコアラ会員として集めてください。そして、そういった若い女性が産むであろう子供達が大きくなった未来にこそ、大分の将来があるのであって、あなた達ではなくてその子供達に私は期待したいですね。
この情報センターのある一角を、〝ソフトパーク〟と名づけましたが、コンピュータはソフトなければただの箱、というように、ソフトウェアは大変重要なものです。また〟ソフトパーク〟とは〟ソフィア・パーク〟のことです。そして、その〟ソフィア〟とはギリシャ語で智恵という意味です。だから、この情報センターを拠点として皆さんが活動され、とくに、そのお母さん達が子供達の手を引きつつ〟ここがソフトパークだよ、ソフトはソフィアの意味でね、コンピュータにはソフトウェアがあってね、コアラはコンピュータ通信のことでね〟などと話しながら散歩してくれるとを願っているんです。そういった言葉が物心着いた頃から普段のこととして教えられた子供達にこそ、大分の未来を託せるんです。だから、若い女性達をたくさん、コアラに勧誘してください」という趣旨で話したのにはびっくりたし、おもしろかったし、かつうれしさでいっぱいになった。
その名誉会長第一声を聞いて、私は、
「ああ、そうか。中小企業者だけではだめなんだ。大分にパソコン通信ネットワークをつくろうと思うならば、中小企業者だけでなく、職業を問わず、主婦や子供のみならず、広く市民、県民、さまざまな人が自由に使えるネットワークを構築していくことが望ましいんだ。地域ネットワークとは本当にさまざまな人々が自由に使ってこそ、社会基盤として機能し、有益性を増していく。だから、コアラは地域社会の社会インフラとして整備していかねばならないんだ!」
と、強く思い至った。そして、これが〝地域社会インフラ・ネットワーク〟としての「コアラ」の本当の始まりではなかったか。

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