post71:タイミングよくアスキーから『パソコン通信ハンドブック』が出版

タイミングよくアスキーから『パソコン通信ハンドブック』が出版


 おりしも85年4月、アスキーから『パソコン通信ハンドブック』が出版され、嬉しいことにその中に行動をおこすのに必要とする情報がたくさん入っているではないか。夢中になって読むと、あたかもSFのなかの未来世界が既にアメリカには出来上がっているように感じてしまった。

日本人としてアメリカでの電子メールのビジネス利用体験レポートは夢中にさせてくれたし、オンラインの電子ネットワークゲーム体験記にはもっと感銘してしまった。あたかも本当に宇宙船に乗ったかのような感覚でコンピュータ・ディスプレイを通して(実際宇宙では窓の外は真っ暗だろうし結局はディスプレイを使うのだろう)他の宇宙船や惑星と交信(つまり、他のゲーム参加者と交信)。惑星に植民して富や兵力を築くこともできるし、それを他のゲーム者と売り買いできる架空のオンライン・ネットワークの中にだけ存在する未来世界。当然友情も地域主義もあって、参加者間でグループや帝国もでき戦争もあるけれど、最後は何ヵ月もかけて参加者(つまり人類?)が力を合わせ、中央銀河政府そのものであるコンピュータ(だってホストコンピュータの中でのゲームであるかぎりそのホストが管理者=中央政府であるのは当たり前でしょう?)をやっつけてしまうなんて、ゲームを作った人達にも想像できなかったことじゃないか。アメリカ人のものを楽しむ才能に脱帽乾杯。それを取材したアスキーに感謝。

こういった記事は電子ネットワークを使ってみたいと思う人達をきっと集めてくれるだろうし、なによりも技術解説がわかりやすくたくさん掲載されていることも嬉しい。

そして、一番重要なことは、そういった電子ネットワークを実際に実験したいと思う人達のためにパソコンを使ったホストコンピュータ用の実験プログラムリストとそれにユーザーとしてアクセス利用するための端末側プログラムリスト例がしっかり掲載されていたこと。

これを使って読者のみなさん独自のミニ電子ネットワークを作ってください、とある。これはありがたい、端末側のソフトはまだほとんど市販されているのがなく、あってもたいへん高価であって誰もが買うとは思えないのでこれをかわりに無料配付すればよいだろうし(その時はこの本がマニュアル代わりになる)、いわんやホスト用プログラムはもっと入手が困難な状況だけど、これさえあれば、当面の『コンピュニケーション(COMPUter-commuNICATIONの略語でこの本がそう書いていた)』体験は十分できるだろう。コロンブスが実際に始まるまでの電子ネットワーク体験用実験システムとして十分機能しそうだ。この本が総てのスタートを可能にしてくれる、と、舞い上がる気持ちだった。


あとは情報センターにいよいよ具体的に相談すればよい。その頃にはすっかり顔なじみになってしまってた情報センター情報課のコロンブス担当である雪野さん、橋本さんに相談すると南事務局長と北村専務がOKすれば情報センターにホストパソコンとして使ってもかまわないパソコンが一台あるという。

ところが一番肝心な南事務局長は突然病気で入院してしまった。いつ退院できるかわからないという。困った。2日間ほど気をもんでしまったが、思い切って見舞いに行ってみた。ただし、あまり仕事の話はまずい、ということで様子伺いであったが手土産に『データベースを使いこなす』(高田正純著)という本を持って行った。この本も3月の終わりに出版されたばっかりで弟達3人組も夢中になって読んだ本。互いに同時に「面白い本が出たよ」と知らせあったら皆この本のことだったとか。内容はアメリカのパソコン通信の紹介であるのだが、いまだ「パソコン通信=電子メールや電子掲示板」の概念のできていない日本では、従前の「データベース」と言う言葉を使ってアメリカでおこなわれている次世代通信が行われている状況を筆者が体験記として書いたものであった。

放送ジャーナリストである著者が、「テレコンピューティングの魅惑的な世界に足を踏み入れて著者が感じることがいくつかある。まず、50歳近く、競馬で言うならば、第4コーナーを回った人間にとって『間に合ってよかった!』『この素晴らしい新世界を知らずに人生を終えたらどんなに空虚だろう』というのが正直な実感である」と述懐しているところは我々30歳代であってもまさに共感を持つものであって、南さんにこの本を読んでもらい、コロンブスを単なる従前のデータベースに終わらせることなく‘次世代パソコン通信機能’を持たせることに賛同して頂こう、という下心いっぱいであったけど。こんな見舞い客が来るようでは南さんもきっと落ち落ち入院できなかっただろうなぁ、申し訳なかった。

見舞いに行ったのが5月の連休前であって、一時も早く物事をスタートしたかった私は南さんの退院が待ちきれない。連休中、爪を噛むような思いで、いつスタートしてもよいようにホストプログラムの勉強をし続けます。


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