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郵政省への説明

 

 実は、この通産省の委員会の前に、郵政省の〟パソコンネットワーク研究会〟事務局の人達から声をかけてもらい、昼食を一緒に取った。この研究会も一二月に発足したばかりで、専門委員会を併設しており、その専門委員会の主査、つまりまとめ役は公文先生。また、コアラに関係ある人としては、会津さんや、アスキーの今泉さんなどが専門委員で参加していて、とても親しみを持っていた。

 その声かけの中心人物は、電気通信局電気通信調査官の鈴木康雄さんと電気通信局電気通信事業部業務課課長補佐の富沢木実さんで、当初メンバーが東京人ばかりであったため、会津さんなどが「東京側ばかりの発想ではおかしいのではないのか?」とこの二人に進言。そこで事務局として八八年一月十九日、第二回目の専門委員会に私を呼ぶことにしてくれた。

 私は、大分の一村一品を手土産に上京。コミネット仙台とともに地方ネットの現状を説明した。説明だけでなく、ぜひとも大分にきてください、と呼びかけた。

 郵政省がパソコン通信を本格的に議論してくれるようになるのは大歓迎であったし、さまざまなところでよい影響が現れてきていた。最大の出来事は、四月二十二、二十三日の東京サンシャインシティで行われた「春のネットワーキングフォーラム」を通産省と郵政省の合同で行うようになったことだろう。

 過去の東京大会、大分大会は通産省のみの後援であったが、〟通信〟であるかぎりは郵政省にもぜひ関わってほしかったことはいうまでもなく、両省の合同後援が実現したことは多くのネットワーカー達から驚きとともに歓迎された。その実現のために、会津さんが通産省と郵政省の間を何度となく行き来したことはいうまでもないが、通産の中島さん、郵政の富沢さん、鈴木さんの英断と努力に心から敬意を表したい。

 春のフォーラムは「ネットワーキングが世界を変える!」というテーマのもと、そういった両省後援の華やかさが加わって大盛況であったし、私も最終プログラムの四時間連続パネルディスカッションのモデレーターを努め、それなりに楽しんだ。

 郵政省との関係はその後さらに展開して、五月二十八日、コアラの三周年例会にパソコンネットワーク研究会の人々を呼ぶことができた。研究会の最終会合を大分で開こうというもので、九州電気通信管理局もその三月に発足したばかりの北部九州地区パソコン通信SYSOP(シスオペ/システムオペレーター、システム運用者)連絡会にも参加を呼びかけててくれた。「東京の専門委員に意見を述べ、かつ、先進のコアラを見学でき、互いに交流できる」という一石三鳥の効果を期待できるということで。

 さすが大宣伝時代の真っ最中だけあって、当日は委員会委員の人達も含めて百五十人近くが集まるという大盛況。委員の面々は前日、湯布院の自然豊かな別荘地で一泊しており、大分の自然と空気を満喫していたのに加え、ネアカ、ハキハキ、マエムキのコアラ人達をもきっと大満喫していったに違いない。富沢さんはお風呂とふぐのおいしさを冗談半分に強調していたし、鈴木さんはエンドユーザー、しかも地方ユーザーの遠慮のない生の声を聞いてたいへん喜んでいた。〟通信の本家〟である郵政省の人々にコアラが認めてもらえたことは、当然、県内でのコアラの認知度がさらに向上するわけで、私にとってもうれしい。それぞれに効果があったということか。

 このパソコンネットワーク研究会は、研究結果として「パソコン通信普及促進センター」を五月十八日より開設させ、初心者相談などを行いつつ利用拡大を目指そうとしていたが、その披露も重なり、「いよいよパソコン通信の時代くる!」という感を、九州内から集まった他のネット局の人々ともども強くした。

 のちに、その研究会報告書が本として出版されたが、当時の日本のパソコン通信界の概要をよくまとめていて、パソコン通信黎明期を抜け出したことを実感する本でもあった。

 郵政省との関連がは、さらに出てくる。

 六月九日、経済団体連合会の情報通信委員会の渡辺文夫委員長がコアラ見学に来られた。

 渡辺委員長は、当時、東京海上火災保険の会長で、のちに日本航空の会長になる。そして、以降、大分と何かと縁を持つことになる情報通信に関する最初の大分入りであった。

 随員は経団連の役員諸氏もいたが、なんと、通産省の中島一郎情報処理システム開発課長と郵政省の平井正夫地域通信振興課長の二人も揃っている。ああ、フォーラムは両省いっしょに後援してくれるようになったが、、それだけでなくいっしょにコアラ見学してもらえるとは、と、とてもうれしかった。

 概略は知事から説明済みだったので、私は「なぜコアラが発足したか、どういった点が設立後に問題だったか?、今後はどうしたいか」を約三十分に亘って説明した。とにかく一生懸命だった。

 一九九三年三月に(財)ハイパーネットワーク社会研究所が創立されることになるのだが、渡辺さんに理事長就任をお願いし、通産と郵政、大分県が所轄官庁という構図の布石が固まったのはこの大分訪問だった。



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