post121:交流会パート2は後藤カイチョーに質問集中

交流会パート2は後藤カイチョーに質問集中

 

 おなかも落ち着いたところで、全員が一堂に会しての交流会パート2「各地からの実践報告会」を開始。

 コアラ例会風にテーブルをロの字型にして、上座を置かない工夫をした。

 最初の一時間は、県外の人達向けに「コアラの歩み」と題して、会津さんの司会でコアラの後藤国年カイチョーと私にインタビュー形式で皆が質問する形態をとった。

 後藤会長はジャンケンに負けて会長になったことなどを、質問に応える形で披露していったが、過去本人から直にその話を聞くチャンスが少なかっただけに皆が次々と質問を発する。

 「お嬢さまクラブ誕生の秘訣は?」

 と聞かれて、

 「決められた仕事だけしっかりやっているなら、勤務中でも自由にコアラしていいよ、といってたんですねぇ。でもコアラのおかげでみんな明るく、積極的になったし、何よりも社会性が増してきたのじゃぁないかしら。私としては大歓迎でしたヨ」

 などとなごやかなやりとりもあるが、県議会議員という立場を意識してか、公(自治体)がパソコン通信システムにお金を出すことの妥当性を何度も質問してくる。

 公文先生のオンラインレポートをもとにいくつかやりとりを再現してみると、次のようであった。

問い/最初の構想は?

後藤/コアラのプロデューサーは知事、ディレクターは尾野さん。私はマネジャーをしようと思った。尾野さんのキャラクターが中心で、その周りにいろいろなスターを育てていきたかった。だがそれだけでは足りないので、奥行きを深くするための役割、「いざという時要員」「まぼろしの会長」になろうと思った。

問い/「ネアア、ハキハキ、マエムキ」はどこからきたか? そういう人だけに集まれということではないでしょう?

後藤/最初はPC98、 一回線、しかもしょっちゅうダウンしていた。直しては使っていた。 その中で、コミュニケーションが始まれば、そうなった人は心の風通しがよくなって明るくなれると思った。 だから、この合い言葉は自然発生的に生まれて定着していったのだ。

問い/会長は、コミュニケーション一辺倒でいいかという疑問を出しておられたが?

後藤/三重町の作文から、喫茶コアラの誕生と繁盛につながった。これは井戸端会議型の気楽なコーナーだが、ここで生活情報の交換だけをやっていても発展がないのではないか。また9801のシステムを多回線のシステム(COARA-2から3)へと発展させるためにはどんなものをつくるのがいいかを話し合おうと思った。当時はまだ電子会議のようなだいそれたことは考えていなかったが。ともあれ、これを「スタジオ・コアラ」(私が議長をしていた)で議論しようとした。蓄積しうる情報を持ちたい。 今の考えはコミュニケーションは個人的・主観的なもの。客観的なものではない。しかし、それを集積することがデータベースにつながるのではないかと思っている。

会津/関連質問があればどうぞ。

今泉 (ASCII NET)/博多にタウン雑誌の会社があった。ここが電話相談をやり、寄せられた情報をデータベース化して、会員に配っているときいた。同様に、集まった情報の蓄積データベース化はやっていますか。

尾野/今は単純にためているだけ。まだ、データがたまりすぎたという状態にはない。将来たまりすぎると慌ててデータベース化しようとするのではないか。

データの内容も体験的、時系列的な情報だ。これをうまく取り出す方法が開発されないとうまく使えないだろ。

光武/なぎさネットを十一月から開く。異業種交流型、中小企業対象.議論の結果、当面はデータベースはやめようとなった。各社が要求するものは、すべて違うはずだ。だからシスオペが集めるのは不可能。だから、欲しいデータがあれば、それぞれ専門のデータベースにアクセスする道を開いておくだけでいい。

コアラにも似た悩みがあるだろうが、どうしていこうとしているか。

尾野/データベースとしては、擬似的なものがいろんな形である。

もっとも充実しているのは、マリンパレスの高松所長が魚について書いたもののデータベース化したものだ。高松さん、話して下さい。

高松/六年前に、本を出した。半分は自分の水族館で研究したオリジナル・データ。それが放送、番組製作、クイズなどに多く利用された。さらに、連載依頼などもありこの二年間に四十~五十本できた。これを各新聞社の許可をえたうえで、書き直してコアラにアップした。これを集積していくと、データベースの形になっていきそうだ。同時に、これをアップしたものと、それにかかわるコミュニケーションとが今は混在している。議長としても、いつも世話することもできず、見ているところ。

会津/後藤さんは選挙の関係などもあるが、そっちのデータなどはコミュニケーションだけから生まれてくるともいえないのではないか。

後藤/その前に、 データベースとはいったい何か? それを構築するとは? 客観的資料の蓄積か? それは先入観に過ぎぬのではないか? 誰でも納得する便利な情報などそうあるわけはない。県の情報センターでやっているのもまだまだだ。それができるのは、コアラや県でなく、より専門のデータベース業でなければ無理。われわれの持っているものは、主観的な意見・発表だ。これを蓄積したものが、コアラでしかできないデータの蓄積だ。

会津/第三セクター的運営、官民合同の側面と民間草の根の面をコアラはともに持っているが、そこはどう考えてやってきたか。

後藤/本県の場合は、幸か不幸か平松知事という偉大な知事がいる。だから先端的プロジェクトについては自然に知事に相談し、助言やお金をいただけることになる。そして尾野さんのような、人材をうまくだまして、あなたの人生にはパソコン通信に打ち込むのがあなたのためにも、県のためにもいいといって、説得して、やってもらっているその結果が草の根と官民合同という得体のしれないものになっている。ただそれだけだ。

尾野/これでどこが黒幕かわかったでしょう。(笑)。

問い/私は地方自治体でパソコン通信の活用の方向性を探っている。コアラの特色は民間から出発して官民合同型になったように見えるが、これは何だろう。中身を読んでみると会員は自分のことを随分さらけだしている。この情報を、たとえば県の職員が自分の仕事に利用することは許されるだろうか。

プライバシーへの歯止めを考える必要はないか。

尾野/後藤会長も私もめんどくさがりやだ。だから秘密を持ちたくない。はじめから全部をオープンにしようとしたのもそのためだ。書く時だけ、責任をとってもらうために署名をしてもらうことにした。どうせ地方都市だから、誰が何をしているかはすぐわかるので、秘密にしても仕方がない。もともとプライバシーの意識は少なかった。それに今では見られることもパフォーマンスではないか。

それに会員は、当初は自分の属している会社の名前で入っていても、そのうちに自分の名前も名乗りだす。そんなものではないか。

後藤/「得体のしれない官民合同」(笑)の意味ですか。

県の出資は三百万。それ以外に場所を借りている。当初は情報センターの職員一人に手伝ってもらっていた。今は自前。グレードアップの各段階では県の「ご威光」を傘にきて、メーカーに便宜を図ってもらった。そこまでが官の支援であろう。

これに対し、こちらが提供したものは、県が独自につくり得ないような県の情報システム (電算課に助けてもらっているといっても、もともと電算課は情報化のための課ではなかった。)をつくってあげたこと。これだけでも十分な対価であろうが、コアラ内に若い県庁職員を受け入れ、県に情報システムのための情報のみならずさまざまな情報を提供し、人間(職員としての)の知性をみがいてあげているという人材教育としても対価は充分に払っていると思う。(笑)

会津/このずうずうしさがコアラの顔だ。(笑) 

後藤/それに人づくりの面でコアラが役に立っていると思う。若い人が地域に目を向けるようになり、自分のことだけでなく周りのことを考えるようになることが人づくりだと思うが、そういった意味でコアラメンバーがこれだけの活動をしていれば県としては大きな成果を得ている。そう考えてよい。

山田(愛知県碧南市役所)/地方自治情報センターで北海道、 藤沢の仲間といっしょに、自治体でのパソコン通信の活用の可能性をテーマに研究している。

ネットワーク・コミュニティに使えるという話で興奮した。しかし、水を差すようだが、地域の活性化のために使えると自治体が短絡的に考えて、 ほんとうにそうなるか。税金を使ってハードを準備しただけで住民のためになるか。なにが還元できるか。ネットワーク・コミュニティから疎外される階層に対してはどうか。ごく一部の人しか入っていない活動をサポートしていいのか?

後藤/人材を発掘し、その知性を磨くツールとしてどこまで有意義かが、ポイントだ。電話よりは、パソコン通信のほうが大脳を働かせている。日本語で自分の考えを大脳を使って文章をつくって相手に伝える、その中身が地域社会のことだ。これを若者や、OL(お嬢様クラブ)がするのは、意味があるのではないか。そしてテーマが地域ということが重要なことなのではないか。

湯川/質問の要旨は山田さんと同じだが、せっかく北海道からきたので質問したい。全国のパソコン人口は五 ~六万で、少ないと考えるべきではないのか?

大分市四十万の市民で三百人が会員だとすると、比率でいうとパソコン人口は、うちの方が多いかもしれない。ともあれ、目標としては、何人を引き込むことを考えているか?

尾野/千分の一が目標だともいうが、ともかく機器・通信費が高価すぎる。また、今のホストシステムだと、二千人がせいぜいだ。百二十五万人のうち何人が使うことになるか。しかし、パーセンテージが問題ではない。大分は金がないので、人づくりに力をいれるといっている。事実、豊の国づくりの塾での人づくりでも、もっと少数でやっていて県が助成しているケースもあるし、後藤会長のいわれるように人づくり対策として頑張っていきたい。

 

 昨日の平松知事といい、今日の後藤会長といい、終始一貫した思想と熱意を持ってリードしている地域指導者に皆、一様にうなずきつつ「やっぱり一村一品の大分かなぁ」というささやきも。

 その後、中村広幸さんの司会で各地からネット紹介を受けつつ意見交換を行った。

 北海道新冠町湯川さんの「HANGAN-NET」、高知県是永さんの「よさこいネット」、愛媛県松山から昨年同様五人がきた「タウンタウン」、米沢の花岡ゆかりさん、坂井紀之さんが「HANAGASAネット」、三重県阿児町の竹内千尋さんがLACCOを、徳島市の増田正さんが庁内ネットを、宮崎都城の田中浩太郎さんが昨年我々が訪問した以降の活動状況を、科学技術庁の大塚洋一郎さんが研究交流ネットワーク構想を、仙台の山野辺昭さんが「コミネット仙台」を、リクルートの根本美枝子さんが「あいしる1」を、高橋滋子さんが「日経MIX」を、大分県津久見市の小野崎宏さんが「田舎通信つくみ」を、東京の杉浦幹さんは「福祉情報データベース」を、福井の佐々木さんは「福井マイコンクラブ」などを、東京の坪さんは「電子村」を、東京工業大学の鈴木史郎さんは川崎「KITTYネット」を…とても全部を紹介できない。

 なるべく多くの人に発言してもらい、多くの知識やアイディアを得たいものだと熱中し、終了予定の十二時を三十分ほどオーバーしてどうにかけじめをつけることになった。

 コアラ副会長の神谷さんの閉会挨拶。ああ、やっと終わったか、そういった感慨が沸いてくる。

 ここで、思いがけず会津さんが、

 「コアラの裏方スタッフの方々、すみません、会場に入ってきて並んでいただけますか?」

 とマイクで呼びかけてきた。

 昨日はくることができても二日間は続けて休める者はそういるわけではく、かつ、今日のスタッフであっても閉会後の行事がまだあってその準備に飛び回って不在者もいるのだが、それでも二十名近くがその場に残っていただろうか。

 一列に並んだ大分在住コアラスタッフに、会津さんがいう。

 「本当にありがとうございました。おかげで素晴らしい経験、大会を実施できました。参加者全員を代表して、そして東京側のスタッフを代表して大分のスタッフの方々に心からお礼を申し上げます」



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