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全国大会開催の決意
もっとも効果があることは、東京や県外からその分野で見識のある人達に大分に来ていただき、パソコン通信のおもしろさや有益性を訴えるシンポジウムを行うことであろう。たとえば「春のネットワーキングフォーラム」のような全国大会ができるといい。そこでコアラがしっかりと認知されたという議論が行われれば大分の人達も喜んでくれるはずだ。それこそコアラが大分人に認めてもらえたことになるだろう。つまり、大分を目指して県外へ出かけて行ったが、やっと大分に帰り着くことになるのではないか?
平松知事は顔を会わせると「コアラシンポをやったらどうだ」「コアラの翼を飛ばしたら」「コアラ青年の船を用意してみたら」などと常に私にいうし、公文先生が知事に会った際、春の全国大会のことにも触れ「大分でもやったらどうですか?」と知事に進言している。
そこで、ネットワーキングデザイン研究所の会津さんに相談すると同時に、春のフォーラムの実質応援者である通産省からパネリストとして登壇していた、電子政策課課長補佐の中野幸紀さんに相談してみた。彼はネットワーカーとして日経MIXを利用していたので、その旨のメールを送ってみた。中野さんから即座にマエムキの返事をもらったうえに、行動にも移してくれた。県庁の芳山達郎企画総室長に電話をし、シンポジウムをやらないか?と持ちかけてくれたのである。
その電話のあった六月二十九日、たまたまパーティで芳山さんに顔を会わせたところ、ニコニコ顔でそのことを喜び「尾野君、今朝中野さんから電話があってね、ご苦労だがどういったことになるか電算課の赤峰正紀課長と上京して通産省と話を詰めてきてもらえないか?」といってきた。
これはうれしい。ホントにシンポジウムができるかもしれない。また、相前後して通産省の情報処理システム開発課で春のフォーラムの直接的担当をされた江藤学さんが県庁電算課へ電話をしてくれた。
そして赤峰課長から七月二日に呼び出しがあっていそいそと出かけていった。彼はその四月から清積課長のあとを継いで課長になったばかりでコアラの過去の経緯をあまり知っておらず、かつ、パソコン通信もはじめてということもあってこの話には懐疑的であった。それをズバズバという。「通産省が本当に、〝マニアのメディア〟に興味を持っているのだろうか?我々はマニアの大会に応援する価値があるのか?お金がそうないだろうが、誰か芸能人でも引っ張ってきて目玉にしたらどうか?」という。しかも「尾野君、きみは関係ない民間人だから口をださんでくれ」と言い渡されてしまった。
これには困ってしまった。なんとか誤解を解かねばならないが、急には難しい。結局、赤峰課長は私を伴わず上京するということなので、中野さんや江藤さんに失礼があってはならない。赤峰さんの後ろ向きの発言が出ても困らないように神経を使ったメールを出して予防せざるを得ない。それに対してお二人とも心強い返事をくれ、「今に皆がパソコン通信を理解してくれるようになるためにも頑張りましょう」「今までのコアラの活動を見て、大分でフォーラムを行えば各地に必ず火がつくから頑張ろう」「大丈夫ですよ。情報処理システム課全体がこれはやるべきものだ、と判断していることですから多少のことがあっても安心してください」と逆に励ましてくれた。
そういった声援もあってか、また赤峰課長の部下のニューメディア担当の滝沢豊弘さん、井上圭太郎さんの応援もあって赤峰課長は二十二日に上京し、開催の方向で納得してくれる。ただし、コアラだけの大会は開き難い、秋には県の独自の情報化フェアがあるので、そこで分科会をやったらどうか?という提案があった。が、これはいくらなんでも春の全国大会の続編としては組み立てられないので、結果的に同じ日に二つの大会を、県が主催するものは「豊の国情報ネットワーク展」としてキャプテンなどを主体にして行い、もう一つは実行委員会形式で主催者を設けた「地域ネットワーク交流全国シンポジウム」として同時開催する、それも同じ会場で行うということになってしまった。
しかし、今度はお金の問題が残る。県としては予算を組んでいないので対応できないというし、どう試算してみても七百万円以上はかかりそうだった。
そういったことも正直に通産省に相談したところ、できるだけのことはして上げるので協賛を募ったりしてとにかく頑張ってみたら、という返事。度重なる好意にますますうれしくなってくる。ところで、その情報処理システム開発課の課長は中島一郎さんといって中野さんと同級で同郷の四国人、かつ二人ともフランス語が流暢な理系人。ナルホド、よくチームワークがとれている。そのうえ、中島さんは「平松知事は、私が新入職員だった時の直属課長でした。今でも頭があがりません。恐怖の原体験を持つ、中島」などと親しげにメールまで寄こしてくれたのには再度うれしくなったり、ナルホド、ナルホド、と二度うなずきたくなってしまう。彼らはパソコン通信の可能性に、本腰になって取り組みつつあって、省内にレッツネットというネットワークを用意し、業務に使おう、審議会にも使ってみようと挑戦中であったぐらいだった。
そういうやりとりを直接に、またはネットワーキングデザイン研究所を経由したりしながら、八月中旬、いよいよ開催が本決定された。

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