post109:平松名誉会長を迎えてのコアラ報告会
平松名誉会長を迎えてのコアラ報告会
コアラが名誉会長の一言で市民開放・参加型になったことを思い起こし、その一年後の八七年二月十九日、名誉会長を招いて「コアラ例会兼コアラ研究報告会兼オフラインパーティ」を催すこととなった。 会員数はその当時四百三十人近くになっていたが、大分市内の会場パルス5に当初六十人集まればイイ、と思っていたのに当日は百人以上が集まってきた。県外からの参加者も見受けられる。
老若男女、それこそいろんな人達がいる。最高齢は別府の大野一夫さん。当時八十四歳だっただろうか。まだ自分で車も運転するし、パソコン通信も自ら望んで取り組んでおられる元気いっぱいのおじいさん。その隣は最年少会員の原田騎郎君、中学三年生。子どもを連れた主婦もいる。お嬢様クラブも全員勢揃いでにぎやかさいっぱい。会場の片隅には「喫茶コアラ」が臨時オープン。マスターも料理長もウェイトレスもそれなりの服装をしているし、どこまでが現実でどこまでがバーチャル(仮想現実)か?わからなくなってしまいそうだ。
それでも〝研究協会〟と名づけられているぐらいだから、その内容を名誉会長に報告する、というスタンスで、名誉会長到着と同時に議事が進行開始。一年前は事務局長の私が報告したが、今回は議長が主人公ということで三人の議長が報告。まずは久保木マスターが、「パソコン通信はコミュニケーション機能が重要であることをこの一年間で実感した」旨をユーモアを交えて報告し、次に子育て会議の議長である私の奥さんが、「パソコンの知識がなくとも道具としてボタンを押すところを覚えていけば、洗濯機や掃除機のように使いこなせて、それがコミュニケーションの道具として楽しく利用できることがわかった」と主婦らしく報告。そしてもう一人、コアラの会員構成を反映して、県外会員である東京の朝日新聞記者、三浦賢一さんが登壇。コアラに入会したきっかけや、その後のことなどを県外会員の視点からこれまたユーモアたっぷりに報告しながら、「今後の問題として会員が増えてきて互いの顔が見えなくなった規模になった時にどうそれを克服するか?」と今後の課題を指摘。
彼は、前年秋にコアラ取材を通して知り合ったものの、私と同じ年であることなどから互いに親しみを感じ、かつ、コアラのおもしろさに引き込まれて会員となっただけでなく「何でもサイエンス」というコーナーを設けて議長を引き受けてくれていた。何しろ科学ジャーナリストとして世界のノーベル賞受賞者に「どうしてノーベル賞を受賞するきっかけとなる発想ができたか?」を聞いて回り、それを出版したぐらいの人だから、サイエンスコーナーの議長を引き受けてくれたのはありがたかった。それだけでなく、年末に東京発のTV番組「11PM」に出演してパソコン通信のおもしろさをスタジオで話したのだがその時、「朝日新聞記者」や「科学ジャーナリスト」などという肩書きを使わず「コアラ会員」だけで通してしまったという、我々にとっては拍手喝采の人でもある。しかも、彼は、所属の朝日新聞出版局プロジェクト室上司の矢野直明さんと一緒に新しいムック本の企画を立てていて、四月から「朝日パソコン・シリーズ」を数冊だしてみよう、できればこれからパソコンを始める人、必要とする人達向けの入門書であると同時に、現在のユーザーにはいま以上に情報社会の息吹を感じられる実用書になって欲しい、その題材として一冊はパソコン通信を取り上げ、そのメインを「コアラ白書」として構成してみようと考えていた。したがって彼は当日、県外会員として報告するという役だけでなく、カメラマンの岡田明彦さんと一緒にパーティ取材を兼ねていた。
カメラのフラッシュがあちらこちらで光る中で知事が一年間のコアラの成長ぶりに喜びながら挨拶。女性が増え、会員の幅が広がり、かつ県域にこだわらない拡大ぶりに降壇してもうれしさを顔一杯に出している。その側で、後藤会長は、緒方さんの元気のよいカンパーイッのかけ声にニコニコ顔。乾杯が終わると、知事は今回特別につくったコアラのマークの入った「コアラ名誉会長」の特製名刺を楽しそうに皆に配り始めたので、その周りは大騒ぎ。小田原市役所の太田利雄さんらやKDDの上田さんらの県外会員もこぞって名刺交換に参列。ボリビアからの留学生には知事は英語で歓迎の一言。お嬢様クラブとは破願いっぱいに記念写真。とにかくあちらこちらで歓声と議論と名刺が飛び交い、ああ、これが〝ネットワーキング・パーティ〟だと実感。知事は過去に何度も経験された夜なべ談義、町おこし/村おこし交流会とはひと味違ったメンバー構成と会話内容にいたく感嘆されたに違いない。
そして、この日のことを中心に写真がいっぱいの『おもいっきりネットワーキング』 が五月中旬に発刊されたが、コアラのオフライン交流の楽しさが前面に押し出され、かつ、オフラインを保証するパソコン通信ネットワークの楽しさが浮かび上がった素晴らしい紹介本になったことはいうまでもない。コアラメンバーの間で、その本は「アルバムCOARAの究極版だ!」といっておおいに盛り上がったし、何冊も買って配って回わったものだ。
こういった例会や、パーティ、アルバム制作、コアラを紹介する出版物などが相乗的に効果を挙げてコアラメンバーであることの誇り(?)、いや、粋に感ずる気持ちが高まり、工藤編集長や和田編集長代理、馬場料理長達を中心としたオフライン部隊、コアラ布教隊などと呼ばれる活発な活動に結びついていったのだろう、会員は徐々に増えていった。

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