post107:電子会議システムの概念をどう普及するか
電子会議システムの概念をどう普及するか
本格的であればあるほど「みなが使いこなしてくれるだろうか?」と心配になってくる。とくに、一次元的な電子掲示板にしか馴染みのない人達が、発言とレスポンスという二次元的動きをどのように理解するか?理解するだけでなくそれに馴染み、その特質を生かしてくれるだろうか?
そういう心配は「電子会議の概念を普及させる」運動を必然的に起こしていく。パソコン通信システムが雨後の竹の子のようにあちらこちらで開発されて、それぞれ使い勝手が異なり、その混乱がパソコン通信の普及を妨げているのも気になってくる。つまりは、システム仕様の統一以前に概念の普及を図ることが先決だということだ。パソコン通信概念の一つに「電子会議」を明確に打ち出していくことが重要に思えてきた。今後は必ず電子掲示板よりも電子会議が重要視されるようになってくるはずで、コマンドが異なろうとも他のネットでまごつかない程度の電子会議の利用方法の推測ができるようなことが望ましいはずだ。
そこでネットワーキングデザイン研究所には、その概念を普及させるチャンスを探してほしいと以前からお願いしていた。そのチャンスが、正月早々にアスキーの新システムの話として入ってきたのである。松の内が終わらぬ一月七日、アスキー塚本さんとの会談に急きょ上京した。
彼らのシステムは「階層型共有ファイリング・システム〝ハイパーノーツ〟」と呼ばれるもので、我々と同様に二次元システムの構造だ。アスキーは一月十九日の報道発表を控えて、どうやってこれを一般に浸透させるか、悩んでいた。サービス開始を三月二十日に考えているという。
「電子会議コミュニケーションは二次元がおもしろいし、その二次元システムはこういった使い勝手になるのだ」という概念を普及させることはすぐにお互い合意した。一ヵ月後にアスキー側開発責任者の宮崎さんと再度打ち合わせることを約束して分かれた。
その一ヵ月間は、COARAー3開発期間でももっとも厳しい一ヵ月間になってしまったが、 「日本型電子会議・汎用コミュニケーションシステムの共通仕様の提案」書を昼夜なく突き詰めて二月一日に書き上げ、即座にアスキー宮崎氏に送付、二月六日に内容の打ち合わせを行った。
残念ながら、完全同意にはいたらなかった。
少々打ち合わせが遅すぎた。当方は今からでも間に合うものの、アスキーは三月二十日のサービス開始を控えてプログラム修正の時間的余裕がない。コアラが数千人単位のユーザー規模でコミュニケーションを想定しているのに対して、アスキーは数万人単位、いやそれ以上のユーザー数を考えていて、その違いがシステム資源(メモリなど)の使い方に影響を及ぼしている。いわば、私達は人数を制限することによって徹底的に細かなユーザーサポートを可能なようにしているのであって、それを大規模ネットに求めるのは酷であっただろう。
ただ、二次元であることには変わりがないので、そういった新しいコミュニケーションシステムがこれからのパソコン通信界に必要だし、その概念を普及していくことにのみ同意し、「共通仕様を共同発表する」ことには残念ながら至らなかった。しかし、私としては二次元システムが私達だけではないことにとても心強く感じ、感謝したいくらいだった。
そうこうしているうちに、三月末にはプログラム制作班内でとりあえず試験的に動かしてみるという予定だけは何とか決まってきた、しかし、実際の稼動は七月までづれ込むことになる。

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